
能登半島地震以降、多くの自治体で「地域の防災」を見直す動きが広がっています。その中で改めて注目されているのが、日ごろから地域に開かれた子ども食堂の存在です。私はこれまでさまざまな子ども食堂と関わってきましたが、平時の活動こそが“非常時の命綱”として働く可能性を強く感じています。
子ども食堂は、ただ食事を提供する場所ではありません。日々、子どもや保護者、高齢者、地域の大人が自然に集まり、顔の見える関係が育まれる場所です。災害が起きたとき、避難所で最も不足するのは「誰を頼ればいいかわからない」という安心の欠如です。普段からつながりを持つ子ども食堂は、避難所の混乱を和らげる“つながりの土台”になります。
もうひとつの強みは、食と人がすでに整っていること。多くの子ども食堂には備蓄食材や調理器具、ボランティアのネットワークがあります。非常時に食事を準備するための動線ができているため、地域の“ミニ避難拠点”として即座に機能しやすいのです。実際、震災や豪雨の現場では、子ども食堂の運営者が炊き出しを行った事例も少なくありません。
支援者の話を聞くと「普段からやっていることを、いつも通りやっただけ」という声が多くあります。これは、子ども食堂が特別な場所だからではなく、“日常から地域に根付いている”からこそできることです。災害時だけ何かを準備するのではなく、平時に築いた関係性と仕組みが、そのまま地域の防災力になる。これは行政の施策だけでは作れない、地域の底力です。
しかし、すべての子ども食堂が災害対応できるわけではありません。人手不足、資金不足、設備の課題…。防災という新たな役割を担うには、継続的な支援と環境整備が必要です。行政や企業が連携し、地域の安全を守るための“共助の拠点”として、子ども食堂を後押しする仕組みをつくることが重要です。
子どもを守る場所は、地域の未来を守る場所でもあります。日常の居場所としての子ども食堂を育てることは、そのまま「もしもの時の安心」を育てることにつながります。私はこれからも、平時も非常時も変わらず地域に寄り添う子ども食堂を、支援の形として広げていきたいと思います。
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