
地域が育てた「子ども食堂のお米」
石川県能美市の交流施設「オアシスつるしん」では、住民ボランティアが子ども食堂で使うお米を自ら栽培し、このほど約1.2トンを収穫しました。
「子どもたちにおいしい新米をおなかいっぱい食べてほしい」――そんな思いが込められた、地域発の温かい取り組みです。
今年は休耕田を活用し、地域の人々が交代で水の管理や草取りを行いながらコシヒカリを育てました。
高齢者から若者までが協力し、農作業を通じて自然とふれあいながら、食を支える循環を実現しています。
寄付に頼らない新しい支援のカタチ
コメ価格の高騰や市場の不安定さが続く中、子ども食堂を運営する側にとって「食材を安定的に確保すること」は大きな課題です。
この地域では、「寄付を待つだけでなく、自分たちでできることを」という考えのもと、“自給”という新しい方法を選びました。
運営者の池田秀一さんはこう語ります。
「地域の協力を得ながら、自分たちでできることはやっていきたい」
農作業を通じて地域のつながりが深まり、子どもたちへの支援が「誰かの善意」ではなく、「みんなの力」で生まれる仕組みになっています。
多世代がつながる「みんな食堂」
この子ども食堂は「みんな食堂」として、子どもだけでなく高齢者も受け入れる形をとっています。
昼は子どもたち、夕方は地域のお年寄り、夜はボランティアスタッフ――。
世代を超えて人が集まり、食卓を囲む風景が広がっています。
地域の人がつくったお米を、同じ地域の人たちが一緒に食べる。
その循環の中で、食の支援が“地域づくり”へと進化しています。
地域の力が未来を支える
子ども食堂というと、「寄付で支えるもの」と思われがちですが、この能美市の例はそれを超えた発想です。
人と人、地域と食がつながることで、持続可能な支援のモデルが形になりつつあります。
お金ではなく、時間と知恵と労力を出し合う。
その積み重ねが、子どもたちの食卓を守り、地域全体の絆を育てています。
食材を通じて地域が一つになり、子どもから高齢者までが安心して集える居場所が生まれる――。
それは、単なる食の支援を超えた「地域の未来づくり」と言えるでしょう。
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日本の子どもの 9人に1人が貧困状態です。
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