池田真市 子ども食堂基金|コラム

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子ども食堂の利用理由 ― 本当に大切なことは何か

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子ども食堂の利用理由 ― 本当に大切なことは何か

子ども食堂の利用理由 ― 本当に大切なことは何か

著者:池田真市(子ども食堂基金 代表)

利用理由をめぐる誤解

子ども食堂貧困層を救う場だったのに、今は節約のために利用する家庭も増えている」という声があります。
中には「節約した分をレジャーや買い物に回しているのではないか」という批判も聞かれます。

確かに、子ども食堂は当初「経済的に困難な家庭を支える」目的から始まりました。
しかし、現場を支えている人々が見ているのは、単なる経済支援だけではありません。
「お金の問題」ではなく、「つながりの問題」。
孤食を防ぎ、子どもたちが安心して過ごせる居場所をつくること――それが子ども食堂のもう一つの大切な使命なのです。

「誰でも来ていい」という考え方

「経済的に困っていないのに利用するのはおかしい」という意見もあります。
けれど、子ども食堂の多くは「誰でも来ていい」場所として運営されています。
その理由は明確です。

もし「困っている家庭だけ」を対象にしてしまうと、子どもたちは自分の家庭の事情を隠さなければならなくなります。
「うちは貧しいから行く」「あの子はかわいそうだから食堂に行ってる」――そんな空気が生まれたら、子どもたちはますます孤立してしまうでしょう。

だからこそ、誰でも参加できる開かれた形をとることで、支援を必要とする子どもも自然に混ざることができる。
これが、子ども食堂が「特別な支援の場」ではなく、「地域の日常の一部」として存在する理由です。

支援から共生へ

子ども食堂の現場では、経済的な支援だけでなく、家庭や学校では得られない人との関わりが生まれています。
ボランティアの大人が子どもの話を聞いたり、一緒に食事をしたり。
そこには「支える側」と「支えられる側」という区分はなく、「共に過ごす人」としての温かいつながりがあります。

こうした交流が、地域の安心感や信頼を育て、子どもたちの心の栄養になります。
だからこそ、子ども食堂は「支援施設」ではなく、「地域の居場所」として大切にされるべき存在なのです。

本当に大切なこと

子ども食堂の本当の価値は、「誰が来るか」ではなく「来た子どもが安心できるかどうか」にあります。
経済状況や家庭の事情に関係なく、子どもがご飯を食べ、人とつながり、笑顔になれる場所。
それが子ども食堂の原点であり、未来に受け継ぐべき文化です。

私たち大人にできることは、「誰が利用しているか」を批判することではなく、「どうすればこの居場所を守れるか」を考えること。
子どもたちが胸を張って「今日もごはんを食べに行こう」と言える社会こそ、目指すべき姿ではないでしょうか。

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