池田真市 子ども食堂基金|コラム

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政治家と子ども食堂 ― パフォーマンスより政策を

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政治家と子ども食堂 ― パフォーマンスより政策を

政治家と子ども食堂 ― パフォーマンスより政策を

著者:池田真市(子ども食堂基金 代表)

SNSで話題になった“本音”の投稿

X(旧Twitter)で、ある投稿が話題になりました。

政治家の皆さん聞こえてますか?
子ども食堂に行ってご飯食べて、「いいことした感」を出してる場合じゃないんですよ。
全国に6000カ所の子ども食堂がある事実、つまりそれだけ困ってる家庭がある現実をどうしてパフォーマンスに使えるんですか?
「みんな食べに行っていいんですよ」じゃなくて、
「ごめんなさい。まずは減税します。国民が安心して食べられる社会にします」って言うのが先じゃないですか?
本来、子ども食堂も地域食堂も、なくていい社会が正解。
それを作るのが政治の仕事じゃないんですか?

この言葉には、子ども食堂を支えている人たちの“現場の本音”が詰まっています。
政治家の訪問が「アピール」ではなく「対話のきっかけ」になれば良いのですが、
現実には、子ども食堂の多くが資金不足・人手不足・運営の継続困難という壁に直面しています。

増え続ける子ども食堂が示す現実

いま、全国には1万か所を超える子ども食堂があります。
これは支援の輪が広がった証であると同時に、
それだけ多くの家庭が経済的・社会的に困難な状況にあることを意味します。

子ども食堂は、地域のボランティアや企業、そして多くの個人寄付によって成り立っています。
行政の補助金に頼れるケースは一部にすぎず、
運営費の多くは寄付で賄われているのが現状です。
「今日の食材費が足りない」「ボランティアが集まらない」――
そんな声が、全国の現場から日々上がっています。

政治の「訪問」と「責任」

政治家が子ども食堂を訪れる光景は、テレビやSNSでよく見かけます。
笑顔で子どもと並んで食事をとり、カメラに向かって言葉を添える。
もちろん、その行動自体を否定するものではありません。

しかし、子ども食堂を“見に行く”ことと、“守る仕組みを作る”ことはまったく別です。
現場に足を運ぶことがゴールではなく、そこから何を政策として形にするかが問われています。
視察や発信で終わるのではなく、現場の声を制度に反映させる――
それが、政治家にしかできない本来の役割です。

支援の広がりは「希望」と「危機」の両方

子ども食堂は“優しさの象徴”であると同時に、政治の責任を映す鏡でもあります。
「支援が広がること」は確かに希望です。
しかし同時に、「支援を必要とする家庭が増えている」という事実は、社会としての危機を意味します。

食の支援や地域の居場所づくりがここまで求められているということは、
家庭が安心して暮らせる仕組みが十分に機能していないということ。
その原因の多くは、政策の遅れと構造的な貧困の放置にあります。

政策としての「子ども支援」を

いま政治に求められているのは、視察や発信ではなく、構造的な支援策です。
減税や子育て支援の拡充、給食や学用品の無償化、住宅支援――。
どの家庭でも「安心して食卓を囲める社会」をつくることが、
子ども食堂が不要になる唯一の道です。

寄付やボランティアの力には限りがあります。
民間の善意を「美談」で終わらせるのではなく、
政治の責任として制度化すること。
それこそが、未来を担う子どもたちに対する誠実な答えだと思います。

パフォーマンスよりも、政策を

子ども食堂を訪れることは、きっかけであって構わない。
でも、その一歩を「アピール」で終わらせないでほしい。
現場の声を聞いたのなら、次は法律や制度に反映させる行動を。

子ども食堂が“温かいニュース”ではなく、“必要のない社会の象徴”になる日。
その日を一日でも早く迎えるために、政治が果たすべき責任は明確です。
パフォーマンスではなく、政策を。
それが、子どもたちの未来を守る本当の力になるはずです。

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