
企業から子ども食堂へ、700トンの支援
大阪市西成区の一般社団法人「こどもの居場所サポートおおさか」では、企業などから寄贈された食材を集め、府内約300カ所の子ども食堂に届けています。
冷凍食品や野菜、肉、麺類など、年間およそ700トンもの食材が無償で提供されているといいます。
支援を受ける子ども食堂の運営主体はNPOや個人、地域団体など多様です。
自前で全ての食材を確保するのは難しく、寄付やボランティアの力なしでは続けられない現実があります。
その中で「サポートおおさか」のようなフードバンク型の中間支援団体が、企業と地域、そして子ども食堂を結ぶ重要な橋渡し役を担っています。
食品ロスを減らし、社会に還す仕組み
企業から提供される食材の多くは、商品入れ替えやパッケージ変更などの理由で廃棄されるはずだったものです。
それを無償で提供することで、企業にとっても廃棄コスト削減と社会貢献の両立が実現します。
一方で、子ども食堂にとっては、これらの食材が活動を続けるための大切な命綱になります。
「食べられるのに捨てられていた食材が、子どもたちの笑顔と栄養に変わる」――。
この仕組みは、単なる食支援を超えて、社会全体のサステナビリティを高める取り組みと言えます。
企業、地域、市民がつながることで、「もったいない」が「ありがとう」に変わる。
フードバンクは、そんな温かい循環の要となっています。
支援の裏側にも課題
「こどもの居場所サポートおおさか」は、もともと国の休眠預金を活用した助成事業として2020年にスタートしました。
しかし、助成期間の終了に伴い、現在は財政的な不安定さを抱えています。
倉庫の維持費や人件費をまかなうために、クラウドファンディングや協賛金の募集を行いながら活動を継続。
スタッフはわずか7名、ボランティアや地域住民の協力によって支えられています。
代表の横田弘美さんはこう話します。
「子ども食堂が表舞台なら、私たちは裏方。
食の橋渡し役として、支える側を支えるのが私たちの使命です」
こうした“裏方の努力”がなければ、地域の子ども食堂は食材を確保できず、活動が止まってしまいます。
フードバンクの存在は、表には見えないけれど、社会を支える縁の下の力持ちなのです。
「子ども食堂が必要ない社会」を目指して
横田さんは、自らも「まんぷくごはん」という子ども食堂を運営しています。
子どもたちが笑顔で食卓を囲む姿を見ながらも、心の中には複雑な思いがあるといいます。
「本当は、子ども食堂が必要ない社会になってほしい」
それは、支援者やボランティアに共通する願いでもあります。
子どもたちが家庭で安心して食事をとり、誰もが孤立せずに暮らせる社会――。
その実現のために、いま私たち一人ひとりにできることがあります。
寄付をする。
時間を分け合う。
フードバンクの取り組みを知り、広める。
どんな形でも構いません。
「支える人を支えること」こそが、子どもたちの未来を守る大きな力になります。
フードバンクが運ぶのは、食材だけではありません。
それは“希望”をつなぐ仕組みそのものです。
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日本の子どもの 9人に1人が貧困状態です。
寄付が子ども食堂を支え、温かい食事と未来を届けます。
小さな支援でも、大きな力に変わります。
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参考: