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子ども食堂と信頼 ― 不祥事を超えて続けるために

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子ども食堂と信頼 ― 不祥事を超えて続けるために

子ども食堂と信頼 ― 不祥事を超えて続けるために

著者:池田真市(子ども食堂基金 代表)

不祥事が投げかけた影

東京・歌舞伎町を拠点に活動してきた「日本駆け込み寺」が、元事務局長の薬物事件をきっかけに補助金を打ち切られ、存続の危機に立たされています。
年間約4400万円にのぼる行政や民間からの支援が途絶え、「あと1カ月しかもたない」と代表が窮状を訴えました。
同団体が運営してきた「子ども食堂」も、その影響を受ける見込みです。

SNS上では「子ども食堂補助金チューチューの温床になっているのでは」といった厳しい声も上がっています。
一部の不祥事が報じられることで、真面目に活動している多くの子ども食堂までもが、疑いの目で見られてしまう――それこそが最大の問題です。

信頼を失えば、支援は途絶える

子ども食堂は、地域の子どもたちに食事と安心の居場所を届ける取り組みです。
活動の多くは寄付や補助金に支えられており、「信頼こそが最大の資産」と言っても過言ではありません。

一度でも不正や管理の不備があれば、支援者は離れてしまいます。
支援が止まれば、食材も場所も確保できず、現場はすぐに立ち行かなくなります。
だからこそ、どんなに小さな団体でも「透明性」と「説明責任」は欠かせません。

寄付金や補助金がどのように使われているかを明確にし、定期的に報告を行うこと。
活動の様子をSNSやホームページで発信し、地域や支援者に開かれた運営を続けること。
それが信頼を積み重ね、持続的な支援につながる唯一の道です。

透明性を高める工夫

最近では、クラウドファンディングサイトや寄付プラットフォーム(例:Give Oneなど)が、資金の流れや活動内容を公開したうえで寄付を募る仕組みを整えています。
こうした仕組みを活用することで、支援者も安心して寄付ができ、団体側も説明責任を果たしやすくなります。

また、運営体制の二重チェックや会計監査など、信頼を高める取り組みも広がりつつあります。
「正しいことを、正しく伝える」努力を怠らないことが、子ども食堂全体の信用を守ります。

不祥事を“終わり”ではなく“教訓”に

不祥事は大きな痛手です。
しかしそれを教訓として、制度や運営体制を改善することができれば、未来への一歩になります。
社会の支援が再び戻るのは、「誠実さを見せ続けた団体」だけです。

子ども食堂は「制度不信の象徴」ではなく、「社会の希望の象徴」であるべきです。
たとえ一部で不正が起きても、全国には信頼と情熱で活動を続ける人々がいます。
その努力と信念が、子どもたちの食卓と心を支えています。

未来へ続く信頼のバトン

信頼は、一朝一夕に築けるものではありません。
寄付を託す人、活動を支える人、食事を受け取る子どもたち――そのすべての人たちの思いが重なって、初めて成り立つのが子ども食堂です。

だからこそ、ひとつの不祥事で終わらせてはいけません。
誠実に、正直に、続けていくこと。
それが「信頼を取り戻す最も確かな方法」であり、未来の子どもたちに渡すべきバトンです。

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日本の子どもの 9人に1人が貧困状態です。
寄付が子ども食堂を支え、温かい食事と未来を届けます。
小さな支援でも、大きな力に変わります。

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参考:
産経新聞(2025年6月2日)「駆け込み寺『1カ月しかもたない』 元事務局長逮捕、補助金4400万円打ち切りで資金難」

ikeda-fund.jp


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