
料亭の想いがつなぐ「食」と「文化」
石川県がこの秋、国の無形文化財への登録を目指す伝統の加賀料理。
その魅力を次の世代に伝えようと、金沢の老舗料亭「つば甚」が県内の子ども食堂に食材を寄贈しました。
1752年創業、金沢で最も歴史ある料亭。
総料理長の川村浩司さんはこう語ります。
「文化や伝統というのは、人でしか伝わらない。
僕たちはその第一線でやっているからこそ、誇りを持って伝えていかなければならない」
この言葉には、「文化を守ること」と「人を育てること」が一つにつながっているという深い思いが込められています。
加賀料理と子ども食堂の出会い
金沢の城下町文化を受け継ぐ加賀料理は、料理そのものだけでなく、九谷焼や輪島塗の器、盛り付け、もてなしの心まで含めた“総合芸術”です。
その洗練された食文化が、今、子ども食堂へと届けられました。
贈られたのは、祝いの席でも振る舞われてきた伝統食材「鴨」。
治部煮(じぶに)などの郷土料理に使われる鴨を、子どもにも食べやすいように醤油やみりんで味付け。
14の子ども食堂に提供されました。
かなざわっ子nikoniko倶楽部の喜成清恵代表はこう話します。
「伝統料理に子どもたちが触れられるのは本当にありがたい。
初めての味に少し戸惑う子もいるけれど、食べてみたいと思えるよう工夫していきたい」
単なる食材支援ではなく、“文化の体験”としての食支援。
そこに、この取り組みの大きな意義があります。
「食べること」は文化を受け継ぐこと
子ども食堂が提供するのは、食事だけではありません。
食卓を囲む時間の中で、言葉や作法、感謝の気持ち、地域の温もりといった“目に見えない学び”が育まれています。
今回のように、伝統料理を通じて地域の文化に触れる機会が増えることは、
子どもたちにとって「食べる」以上の意味を持ちます。
味を覚えるだけでなく、「この町の文化を大切にしたい」という心が育つ。
それは、地域の誇りと未来をつなぐ小さな一歩です。
文化と支援の橋渡し
老舗料亭が子ども食堂に食材を届ける――
一見、異なる分野のようでいて、実はどちらも「人を思う心」から始まっています。
料理人が守る伝統の味も、ボランティアが支える温かい食卓も、
どちらも“誰かのために”という同じ原点を持っています。
このような**「文化×福祉」**の協力が広がれば、
支援のあり方はもっと豊かで、持続可能なものになっていくでしょう。
地域の文化を未来へ受け継ぐことと、子どもを支えること。
その二つが交わる場所に、社会の希望が生まれます。
基金としての視点
私たち「池田真市 子ども食堂基金」も、今回の取り組みに深く共感しています。
子ども食堂は、栄養や安心を届ける場であると同時に、地域文化を次の世代へつなぐ場でもあります。
企業や料理人、地域の団体が手を取り合い、
「食」を通じて社会の温度を上げていく。
その流れを広げていくことが、基金の使命でもあります。
子どもたちが「初めて食べた本物の味」を通じて、
地域への誇りと感謝を感じられるような取り組みを、今後も応援していきたいと思います。
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日本の子どもの 9人に1人が貧困状態です。
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参考:
MRO北陸放送(Yahoo!ニュース)
「治部煮など伝統の『加賀料理』を子ども食堂へ 金沢の老舗料亭が食材を贈呈」
2025年10月9日配信