池田真市 子ども食堂基金|コラム

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子ども食堂の寄付金はどこへ行く? ― 使い道と信頼の見える化

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子ども食堂の寄付金はどこへ行く? ― 使い道と信頼の見える化

子ども食堂の寄付金はどこへ行く? ― 使い道と信頼の見える化

著者:池田真市(子ども食堂基金 代表)

「寄付したお金は、どこで、どう使われているのだろう?」
そんな疑問を持つ方は少なくありません。
善意が届いていることを実感できることは、寄付を続ける上でとても大切な要素です。
この記事では、子ども食堂の寄付金がどのように使われているのか、そして“信頼される寄付”とは何かを、具体的にお伝えします。

運営の現実 ―「想い」だけでは続けられない

子ども食堂の多くは、地域ボランティアや非営利団体によって運営されています。
そのため、活動の原資となるお金は、ほぼすべてが寄付や助成金

主な費用内訳は、次のようになります。

  • 食材費(約40〜50%):米・野菜・肉・調味料など、1回の開催で数万円規模。

  • 会場費(約20%):公民館・集会所などの利用料、設備維持費。

  • 光熱費(約10%):ガス・電気・水道など。

  • 運営費(約10〜15%):消耗品、広報費、衛生用品。

  • 人件費(5〜10%):調理・運営スタッフの交通費や謝金。

寄付金は、こうした“目に見えない支出”を支えています。
食材だけでなく、子どもたちが安心して過ごすための空間づくりや安全管理にも必要な経費がかかるのです。

寄付金の主な使い道 ― 支援の形はいくつもある

① 食事の提供費用

最も多くの資金が使われるのが、日々の食事づくり。
栄養バランスを考えた献立を用意し、季節の食材を取り入れるなど、限られた予算で工夫を重ねています。
また、アレルギー対応や衛生面の管理など、安全対策にも費用がかかります。

② 居場所づくりの運営費

食堂は単なる「食事提供の場」ではなく、地域のつながりを生む居場所でもあります。
子どもたちの学習支援や遊びの時間を支えるための備品購入、絵本や文房具、ボードゲームなどにも寄付金が使われます。

③ 設備・備品の購入

冷蔵庫・電子レンジ・炊飯器・消毒機など、長期的に必要な設備費も大きな負担です。
特に立ち上げ初期には、こうした備品を寄付金でまかなう団体がほとんどです。

④ 食材支援ネットワークへの拡大費

余剰食品を提供する企業・フードバンクとの連携にも資金が必要です。
寄付金の一部を、物流費や配送費として活用している団体もあります。

「信頼される寄付」とは何か

寄付をする側にとって、最も重要なのは“透明性”です。
最近では、支援団体が使途を公表するケースが増えています。

たとえば、全国の子ども食堂を支援する「むすびえ・こども食堂基金」では、
助成金の配分先、金額、活動報告書をすべて公式サイトで公開しています。
また、寄付金の80%以上を現場の運営支援に充て、残りを管理経費に回す明確な比率を掲げています。

一方、自治体が設立した「北九州市・子どもの居場所づくり応援基金」では、
企業や市民からの寄付を積み立て、年に数回、公開審査によって助成先を決定しています。
こうした“見える寄付”が、支援者の信頼を高めるのです。

継続するための工夫 ―「報告」が支援をつなぐ

良質な支援団体ほど、活動報告を丁寧に行っています。
支援レポート、写真付きの活動報告、寄付金の使用内訳を明記すること。
これにより、寄付者は「自分の支援が確かに届いている」と実感できます。

また、寄付を受けた側にとっても、報告を通じて“支援の循環”が生まれます。
「次も寄付したい」と思ってもらえるような報告が、持続的な支援の礎になります。

寄付を“信頼”に変えるために

寄付はお金のやり取りではなく、信頼のやり取りです。
だからこそ、寄付する側にも「信頼できる寄付先を見極める力」が求められます。

信頼できる寄付先の見分け方

  • 活動報告・決算書を公開しているか

  • 認定NPO法人自治基金など、公的機関の認定があるか

  • 助成金や寄付金の配分ルールが明確か

  • 運営スタッフの顔や実績が公開されているか

特に「寄付金控除(税制優遇)」が受けられる認定NPO法人への寄付は、透明性・法的信頼性の両面で安心です。

寄付は“共感の輪”を広げる力

子ども食堂を支える寄付は、単なる資金提供ではありません。
それは、「誰かのために何かをしたい」という思いを形にする行動です。

お金が「食材」や「笑顔」に変わる。
そして、その笑顔がまた新しい寄付を呼ぶ。
そんな支援の連鎖こそが、子ども食堂を支える最大の力です。

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日本の子どもの 9人に1人が貧困状態です。
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参考:


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